服部充さん(長崎大学)と共同で行っていた兵隊アブラムシの生態についての研究成果が Insectes sociaux 誌に受理されました

ササコナフキツノアブラムシは真社会性の昆虫です。二次寄生世代では寄主となるササの葉の上で母虫がクローン繁殖し繁殖カーストと兵隊カーストを産出します。防衛に特化した兵隊カーストには形態に季節性があり、捕食者が多い8月には攻撃形質の角や前脚の大きな個体が生まれます(Hattori, Kishida, Itino, 2013, Evol Ecol)。今回の研究はこの現象についてさらに「行動」に注目して理解を深めました。本研究では、武器の大きな兵隊個体ほど行動的な攻撃性も強いことを実験的に確かめました。形態的にも行動的にも攻撃的な個体を生むことで捕食者の脅威に対応するのかもしれません。