私たちは苫小牧研究林を流れる幌内川の5.3㎞にも及ぶ区間で,魚類の個体追跡プロジェクトを実施しています.このプロジェクトでは,春と秋に調査区間内の魚を徹底的に捕獲して成長や成熟を調べています. 今年の春の調査で捕まえた数尾のイワナから精子が出ました.秋産卵のはずのイワナが春に精子を出すなんて聞いたことがありません. サケ科魚類の生態学者でこのプロジェクトの主要メンバーの森田健太郎さん(雨龍研究林・准教授)が中心となり,この発見は直ちに論文化されました.
Futamura R., Morita K., Araki K., Ayumi M., Kumikawa S., Matsuoka Y., Okuda A., Sugiyama H., Takahashi H., Takahashi T., Uchida J. & Kishida O. (2021) Occurrence of mature male white-spotted charr (Salvelinus leucomaenis) in spring, an unusual season. Ichthyological Research (In press)